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東アジアの英語教育の比較

ブライアン・ペックリル

 

  世界中で国際経済が広がってから、英語は最も大切な言語になった。アメリカのような英語を話す国以外で、英語を話せる人の数が増えている。しかし、長い間、日本の教育制度は英語が大きな問題となっている。他のアジアの国々に比べると、日本の英語力が向上していないと思う。二年間JETプログラムの英語のALTとして日本に住んで、その大きな問題を経験した。小学校1年生に英語を教え始める学校もあるが、期待したより学生の英語力が向上しなかった。その経験から、現在の日本の英語制度は足りなく、何か変わらなくてはならないと感じた。2020年の夏のオリンピックが東京で行われることになっている。それから、2020年までに日本の英語力がもっとよくならなかったら、日本人は恥ずかしい思いをするだけではなく、オリンピックがうまくいかない可能性もあるのではないだろうか。このような様々な理由から、期末プロジェクトで、日本の英語の教育制度の現状を調べたいと考えた。

 

 日本は、世界中から教育制度が良いと思われているが、英語教育もいいというわけではない。日本では、6・3・3・4の教育制度があり、小学校が6年、中学校が3年、高校が3年で大学が4年である。小学校と中学校は義務教育だが、高校進学率はほぼ98%で、短大や専門学校や4年制の大学の進学率は約80%である。最近まで、英語は中学校から必修科目だったが、数年前にその規制は変わり始めた。2010年のTOEFLのiBTのデータによると、東アジアと東南アジアの17カ国の中で日本は15位で、下にはラオスとカンボジアがあるそうだ。その上、中国と日本と韓国の英語能力の統計によると、年に上がれば上がるほど、韓国と中国の英語能力と日本の英語能力は同じぐらいになったそうだ。しかし、20代や30代の韓国人と中国人の英語能力は、日本人の英語能力と大きな差がある。つまり、日本より韓国と中国の英語教育の制度は良くなっている傾向が見られる。しかし、文部科学省はその大きい問題を認め、2010年に小学校5年生から英語を義務教育にさせたため、日本の国立カリキュラムが変更された。現在、日本の小学校のカリキュラムは、毎年35時間だけ英語を勉強し、英語の話し方ばかり勉強するが、書き方や読み方を勉強しない。中学校1年生の前に英語を勉強し出すことに変えたのは良いが、小学校5年生の前に英語の勉強をし始める国も多い。

 

 例えば、中国経済がよくなればよくなるほど、中国の貿易の量が増える、国際貿易が上がることによって、中国で小学校3年生から英語教育が導入され始めた。「中国における小学校英語教育の現状と課題」という日本の文部科学省の調査によると、中国の公立小学校の3年生に英語を導入し出した。小学校を卒業するまで、中国の小学生は英語の勉強時間が平均340時間もあるそうだ。これは日本の平均70時間に比べれば、ほぼ7倍である。それに、先生が学生に英語学習へ興味を持たせるために、様々な楽しい活動をさせる。英語の聞き方、話し方と読み方を紹介するために、中国の小学校3年生から6年生にかけてゲーム、スキット、歌などを使っているそうだ。2010年のTOEFLのiBTのデータによると、アジアの17カ国の中で中国は9位である。このような英語力は、英語を導入し始める年にも英語を勉強する時間とも関係があるに違いない。小学校3年生に英語を導入することによって、中国は英語の教育が日本より効果的な制度になったようだ。

 

 中国の英語の教育制度と同じで、韓国では小学校3年生から英語を導入する。しかし、中国の教育に比べると、韓国はもっと早く東アジアの中でいい英語教育の制度になった。しかし、数年前まで、韓国の英語教育の制度は効果的というわけではなかった。「韓国の英語事情から見えるこれからの日本の英語教育」という記事によると、2001年に韓国も日本もTOEICの平均点は560点で、ほぼ同じだったそうだ。しかし、「韓国における小学校英語教育の現状と課題」によると、1997年に小学校3年生に英語を導入する国のカリキュラムが発表され、2001年の小学校3年生から開始されたそうだ。現在、小学校を卒業するまでに韓国の小学生は英語を204時間勉強できる。これは日本の70時間、中国の340時間の中で二番目だが、日本の英語の勉強時間の約3倍である。

 

 それから、2010年のデータによると、韓国人にとって、英語が一番大切な教科になったそうだ。「2010年の韓国の私教育費調査結果」によると、一人当たりの月平均の教育費の中で、英語は最も大きく、33%を占めている。他の教科に関して、数学が28%、スポーツ・芸術が19%、国語が9%を占めている。このデータから、韓国の学生にとっては、学校や仕事に進むには、上級の英語能力が必要になったということが分かる。2009年のTOEICスコアを比べると、韓国が619点、日本が581点と差があり、2001年に、新しいカリキュラムを開始する前は、TOEFLのデータによると、東アジアと東南アジアの17カ国の中で韓国は11位であった。しかし、2010年のTOEFLのiBTのデータによると、韓国は6位であった。1990年代から韓国の経済が良くなっているだけではなく、サムソンやLGやヒュンダイのような韓国の会社は世界中で販売し始めている。その現象は英語の制度が良くなったのと関係があるのではないかと考える。

 

 他にも、韓国や中国と違って、2010年のデータによると、タイの平均TOEFLスコアは75点ぐらいで、他の東アジアと東南アジアの17カ国に比べて、11位と普通である。しかし、タイの教育制度について、数学や科学のような他の教科と英語の勉強時間は、ほぼ同じである。例えば、タイの公立学校では、小学校1年生に英語の義務教育をさせるそうだ。そして、小学校を卒業するまで毎年80時間勉強し、約1050から1200語も教える。タイの小学校では英語を勉強する時間は480時間で、日本の70時間に比べれば、ほぼ7倍である。それに、段階的に英語を導入し、一年生から三年生まではコミュニケーションのための言語を中心にしても、小学校卒業まで、聞き方、話し方、楽しい読み方、暮らしの英語などを一年当たり40時間勉強することになっているそうだ。しかし、タイの中学校に入学してから、英語を勉強する学生に弱点がないというわけではない。タイに関して、社会の問題があるため、他の東アジア国々に比べると、国の予算が足りないのだろうかと思う。良い英語の教育制度があっても、その制度を導入するお金が足りなかったら、前に計画したより、効果的な結果が起こらないはずだ。しかし、タイの政府は国民にもっといい生活をさせるために、英語を教えることにした。タイはシンガポールの近くで、タイの国民が英語を話したら、国際的な会社はタイで支店を建てる可能性が高い。このようなことから、将来、タイの国民がもっと英語を話したら、タイ人の生活もタイの経済も同時によくなるに違いない。

 

 最後に、日本の英語教育の制度は2001年からよくなっていないと考えられる。2010年の調査の通り、2001年のTOEFLのデータによると、東アジアと東南アジアの17カ国の中で日本は15位である。やはり、小学校で英語を勉強する時間は英語の能力と関係があり、タイや中国や韓国と同じで、英語力が向上するために、小学校でかなりの時間を勉強した方がいいではないだろうか。その上、日本では小学校5年生にローマ字を導入するが、中学校1年生までに、ローマ字の英語の読み方や書き方を導入しない。母語話者のような発音を習うために、英語の読み方も勉強しなくてはならなく、タイの制度と同じで、小学校で主に話し方を勉強しても、同時に英語の読み方と書き方を導入するべきである。

 

 もう一つの問題は、日本中で英会話は人気があるが、学校の授業で文法を教えたり、内容を説明したりする時、逆に日本語ばかり使われていることである。授業中、英語を使う回数を増やさなくてはならない。日本では英語を勉強したら、西洋文化やグローバル化に日本の文化が壊されると思われる人がいるかもしれない。しかし、オランダやデンマークやパキスタンのようなに強い国民性のある国も、小学校の入学から英語を勉強し始める国もある。日本ではもっと長い英語教育の制度を導入しても、これは日本の文化に影響を与えないのではないだろうか。逆に、日本国民の英語がこのまま上手にならなかったら、確かにこれは経済に悪影響を及ぼすのではないだろうか。世界中の多くの国に比べれば、日本の生活の質は高い。しかし、その生活を守るには、日本は英語教育の制度を変えなくてはならないと感じる。中国のように、日本の小学生はもっと長い時間英語を勉強し、タイのように、小学校卒業までに、聞き方、話し方、楽しい読み方、暮らしの英語などももっと勉強するべきだ。これから、世界中で日本の総合商社はもっと支店が増えてくだろう。日本人でも、その支店で働くため、英語は必要に違いない。日本は世界中から、強い国と思われたが、経済大国がそのまま変わらないように、日本は英語の教育制度をもっと向上させるべきである。

 

参考文献

 

「TOEFL iBT東+東南アジア主要国17カ国の平均国別スコア」http://d.hatena.ne.jp/Kamppi/20110729/1311928296 (2014年7月31日アクセス)

 

「 ouc.daishodai.ac.jp/」http://ouc.daishodai.ac.jp/files/profile/outline/shokei/162.%E5%B0%8F%E7%A3%AF.pdf (2014年7月31日アクセス)

 

「中国における小学校英語教育の現状と課題」http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/015/siryo/05120501/007.htm (2014年7月31日アクセス)

 

「韓国における小学校英語教育の現状と課題」http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/015/siryo/05120501/006/002.htm (2014年7月31日アクセス)

 

「タイにおける小学校英語教育の現状と課題」http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/015/siryo/05120501/009/002.htm (2014年7月31日アクセス)

 

岡まゆみ、筒井道雄、近藤純子、江森祥子、花井喜朗、石川智(2009)「上級へのとびら」くろしお出版

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